この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
美代はわかった、とうなずいた。


「それにしても私これがこの夏初めての海だなぁ。楽しみだ―」


食べ終えた食器を重ねながら、美代は笑顔をみせた。


そんな美代に俺も小さく笑い返す。


「俺も初めてだよ」


この夏…というより

むしろ俺の場合は海に行くこと事態が初めてだけど。







その後


俺と美代は並んで食器を洗った。


「お先にお風呂はいるね~」


洗いものが終わると、


美代は鼻唄を歌いながら風呂に向かっていった。


そして、俺は美代が風呂に入る間に寝室に布団を敷きに行った。


部屋の隅にたたんで重ねておいた布団を


シーツのシワを伸ばしながら広げていく。


狭い部屋だから仕方ないが


4畳半の寝室に二組の布団を敷こうとすると


どうしても隙間なくぴったりと並べるしかなくなる。


俺は敷いた布団を見ながら


確かにこの状況じゃ、例え美代の親しい友人や先輩でも話せないだろうな…と思った。




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