この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

マサルの活躍

ヒゲ男の元へつくと、先に来ていた夏美が騒ぎ立てていた。


「だ―か―ら~あんたバカぁ?今日は海に入るなって言ってんの!」


仁王立ちする夏美の前で銀色のバチを片手に戸惑うヒゲ男。


「えぇ?でもお前よぉ、海に来てそんなのヒデ~よ……」


母親に怒られているジャイアンのような声を出すヒゲ男。


ヒゲ男は後からきた美代に気付くと慌てた声をだした。


「ぁあ、美代ちゃん!」


ヒゲ男は首からかけていたタオルで慌て汗をぬぐう。


そしていつもの余裕げな表情を浮かべると美代に言った。


「美代ちゃん、聞いてよ。夏美のバカがこの暑いなか俺に海に入るなってんだぜ?マジで頭イカれてる」


ヒゲ男は美代の前ではおろおろすることなく、むしろ爽やかに笑う。


「~~~っ!バカはあんた!もうマジで知らないから」


夏美は唇を尖らせるとバシッとヒゲ男の筋肉質な腕をなぐった。


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