この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐





「え~、とりあえず全員集まったところで注目」







部長はみんなの注目を集める様に缶ビールを右手に高く掲げた。


「今日は日頃の褒美としてバーベキューと海を堪能してくれ。ただしボランティアサークルの名に恥じぬよう、ゴミは散らかすな」


「うぃ~す」


部員の一人が手をあげると、部長は満足げに頷いた。


「酒もあるが未成年はもちろん飲むな。飲める者も今日は飲み過ぎるなよ。飲んだ者は海に入るな」


「うぃ~す」


「よし。ではバーベキューを開始する。乾杯」


「「かんぱ~~い!!」」


缶ビールやジュースを手にした部員たちは、部長に続き片手を空に掲げた。


同時に弾けだす部員たち。


潮風に乗って香るバーベキューの匂いが雰囲気を盛り上げていく。


網の上には肉やトウモロコシ。


ブルーシートの上のウォータークーラーのBoxの中には、氷に浮かんだ大量の缶酎ハイや缶ビール、烏龍茶などが入っていた。


もちろんゴミ袋も分別用にいくつも用意されている。


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