この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「いや…俺は奇跡の青年じゃなくマサルだ」


俺がそう言うと


大林リポーターは一瞬首を傾げ、そのまま話しを流した。


「わぁ~!感激です!突撃インタビューで申し訳ないのですが、質問にお答え頂けますか?」


「…………」


大林リポーターのテンションに圧倒される俺。


しかし大林リポーターはそんなことはお構い無しに続けていく。


「それでは早速質問です!あなたはイルカに乗っていましたよね?!」


「あ、あぁ…スナメリのメリ吉のことか?」


「メリ吉…?あ、もしかしてあのスナメリはペットだったんですか?!だから簡単に乗れたとか!」


大林リポーターはガッテン!みたいな表情をした。


「い、いや…メリ吉は野生のスナメリだし初対面だったぞ」


「え…?でも完璧に乗りこなしていましたよね?あなたはイルカの調教師か何かされているんですか?


それにしても野生のイルカにいきなり乗るのは難しいと思いますが…」



大林リポーターはそう言った。


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