この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「いや、俺は調教師じゃないぞ」


俺の言葉に大林リポーターは目をパチパチさせる。


「え…?!じゃあどうやってあんな奇跡を…??」


奇跡って…


俺は頭をかいた。


「別に…ただちょっとお願いしたらメリ吉は頭の良い奴だから助けてくれたんだ」


「……………」



俺の言葉に大林リポーターは、ぽかんと口を開けた。


「…………え?お願いって??どうやって…です?」


「え?いや普通にだろ?」


「ふ…普通、ですか…?」


戸惑う大林リポーター。


機関銃のごとく喋り続けていた大林リポーターが言葉に詰まると


それだけで店内は少し静かになった。


生放送中に会話が止まる。


大林リポーターの後ろでは


責任者らしい男性が会話を続けるように身ぶり手振りで必死に訴えていた。


< 278 / 513 >

この作品をシェア

pagetop