この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「美代―――!」
「おい、美代――!!」
あれから俺は、思い付く限りの場所を探した。
大学の周辺、図書館、公園、よく行くスーパー、ヒゲ男の家にも行ってみた。
「お、マサル~!って…お前どうしたんだ!?」
夏休みで寿司屋を手伝っていたヒゲ男は汗だくになった俺をみて目を丸くした。
店内にいた客たちも驚いた顔で俺を見ている。
あのTVの反響は思っていたよりも大きかったのか、寿司屋は繁盛していた。
「はぁ、はぁ…美代…来てないか?」
時刻は既に夕暮れ時。
半日走りまわった俺の体は全身汗だくで、足は鉛のように重くなっていた。
「え?美代ちゃん?美代ちゃんは来てねぇけど…どうしたんだ?」
美代は…来てない
ヒゲ男の言葉に俺はまた失意の底に落とされた。
もう今日何度目の絶望だろう
「そ…うか…」
しかしフラフラと去ろうとする俺を呼び止めるヒゲ男。