この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐






「すまん…それは、出来ひんのや」







「どう…して…」



美代の切ない目に耐え兼ねたのか山吹は下を向いた。



「魂の転成はただでさえ危険な行為やし…規則違反や。まぁ別に規則は今さらやけどな」


「…………」


「いま美代ちゃんのお願い聞いたらその魂は2回目の転成になる。成功する確率は1%もないで。ただの死に損や」


「…そ…んな…」


山吹の言葉に美代の顔は絶望に変わっていく。


「クルック~それに…マサル氏もそんなことは望んでないっポよ」


「……………」


美代は唇を噛み締めた。


「だけど…ひっく…うぅ…」









その時、


遠くからブヒブヒと近付いてくる豚の鳴き声が聞こえてきた。


「………??!」


美代たちは浜辺を見る。


そこには、豚の太郎や猫の鈴子、鶏の奈津子など美代の実家の動物たちがいた。



『マ…マサル~!!!だいじょうブかぁ~?!』


太郎は砂浜を走るとマサルに飛び付いた。


『…うぅ…マサル~…手遅れだったブヒ?』


太郎はブヒブヒと泣いた。


『マサルさんが死ぬなんて信じられないニャ…』


鈴子や奈津子も泣いている。



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