この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「マサルさんがあんまりしつこいからな。しゃーなしに俺が怒られるん覚悟で叶えてあげたんや」


「…………」


「ちなみにマサルさんが美代ちゃん好き好き言うとったから…人間にしたってん」







「う…そ……」


美代は震える指先でマサルを撫でた。


「じゃあ…マサルさんは私の身代わりに…?」


美代の目から涙がこぼれ、マサルの白い毛並みを濡らしていく。


「…美代ちゃんの体には今もマサルさんの魂が息づいてるんやで」


「………っ」



「せやから美代ちゃんはマサルさんの分も生きなあかん」


山吹の言葉に


美代は魂の鼓動を確かめるように胸に手を当てた。


「この命が…マサルさんの命…?」


山吹はうなずく。


「うぅ……マサル…さんッ!」


美代はもう一度マサルを抱き締めた。


そして肩を震わして懇願する。


「その話が本当なら…もう一度マサルさんにこの魂を返してください…!」


「美代ちゃん…それは」


「お願いします…!マサルさんを生き返らせて…」


美代はうさぎのマサルを抱き締めながら銀と山吹にすがりついた。


「お願いします…お願いします…!」




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