この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐





「むぅ…むにゃむにゃ」


『ん……?』






美代のむにゃむにゃいう声で、俺はうっすら目をあけた。


とたんに眩しい光に目をしかめた。


『眩し…』


昨夜、開けたままで寝てしまったカーテン


窓からさし込む日射しが直接、顔にあたっていた。


目が慣れると、遮るもののない窓からは爽やかな青い夏空が見えた。


蝉はもう鳴き始めていて部屋の中はむわっと暑い。


「んぁ―…頭いた…い」


うめき声と共に美代はけだるく布団から体を起こし、ボリボリと頭をかいた。


俺が美代を見ると


美代は頭も服もボサボサでマスカラは乾いたひじきのようになっている。


『お前二日酔いだろ。水飲めよ』


「…ありゃ?マサルさん今日は私と一緒に布団で寝てたの?」


隣にいる俺を見て、美代は首をかしげながら小さく笑うと、


そのまま布団からはい出した。


「ん~…」


のそのそと尻と頭をかきながらキッチンに向かう美代。


蛇口をひねりコップで水を飲みながらう―んと伸びをした。


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