この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
腕の中でも暴れる俺を、美代は必死になだめながら時計を見た。


「うあ~遅刻しちゃう!マサルさん、ごめん!帰ったらいっぱい遊んであげるから」


美代は申し訳なく謝りながら、俺の鼻にキスをした。


そして床に俺を優しく置くと、大きなカゴのバッグを肩に提げて玄関に向かい歩き出した。


『美代っ!待って、待てってば!頼むよ!』


俺はすがるように


そんな美代の足に必死でまとわりつく。


『美代…!』


「え~??マサルさんほんとにどうしちゃったの?!」


美代は心配そうな顔をして、玄関の前でもう一度俺を抱き上げた。


『頼むよ、美代…行かないで…』


美代に何かあったら俺は…


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