先見の巫女

黒闇龍の巫女

《晴明》


『晴明』

「扇凜白虎…何です?これは……」


まがまがしい邪の気配。何処からなのかも分からないくらいに大きな邪気。


「まさか…黒闇龍……?」


晴明は印をつくり気配を追う。


『巫女の龍気が乱れておる。それ故封印が不安定だ…。恐らくこのままだと…』

龍気…もともと翡翠龍、黒闇龍の巫女であった青龍の巫女は、二神の龍の気を宿している。


その気が不安定になった今、巫女の気が黒闇龍に向けば黒闇龍に力を与えてしまう。


『…目覚める…巫女を先に守るのだ晴明!!』


扇凜白虎の叫びと同時に、晴明は走り出した。


「雛菊っ…」


どうか…あの子を私から奪わないで下さい…


大事な…娘を…っ!!!






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