先見の巫女
「翡翠龍、行ってきますね」
「我も行かなくて良いのか?
翠がいるとはいえ…」
心配そうに私を気遣う翡翠龍に私は強気の笑顔を向ける。
「私だって神の血を引いてるのよ!
黒闇龍なんかちょいちょいと説教して元に戻してやるんだから」
そう言って笑えば、翡翠龍も笑みを浮かべた。
「行こう…翠」
「はい」
羽優の後をしっかり翠はついていく。
翡翠龍は願った…
二人が永久に幸せであれと…
「羽優…大丈夫です。
私が護ります」
「…信じてるわ…」
二人はそっと手を繋ぐ。
これから待つ闇に怯えないように…
気持ちを強く在れるように…