先見の巫女


「雛菊?お、おい!!
どうした!?」


朱雀はあたしに駆け寄り、心配そうな顔であたしを見つめる。


『…とこしえにあなたを愛します』


―ズキンッ


「うっ…ぐ…声が……
声が聞こえるの…」

「声…?」



朱雀はあたしを抱きしめるようにその腕で包む。
温かい…ずっとこうしていたい…


「大丈夫だ…
約束したからな……」


声が遠くなる。
あぁ…もうすぐ眠ってしまうのだと気付く。


「…お前を…護ると…」


その言葉が頭の中に優しく響き渡る。
それが…最後に聞いた子守唄だった。







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