先見の巫女


「雛菊、準備は出来たかい?」

「はい、晴明様……っ!?」


そう返事してから立ち上がろうとした時、映像が頭の中に流れてきた。


『鬼だーーっ!!』

『逃げろ!逃げろーっ!!!』

祭に集まる貴族達の悲鳴。逃げ惑う人間達…


『我が名は桜鬼…許さぬ…許さぬぞ人間!!!この日をどれだけ待ちわびたか!!』

百…いや、千程の花びらが舞い散る夜空に、美しくも恐ろしい鬼の声が響き渡る。


『何故だ!!お前とて同じであろう!?翡翠龍!!』


翡翠…龍……?何故この鬼は翡翠龍の事を……?





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