先見の巫女


「たった…だと…?」


一人でホッとしていると、地を這うように低い声が聞こえた。


慌てて顔を上げると、明らかに怒りをあらわにしている朱雀と目が合った。


「す…ざく…?何で怒って…」

「まる2日も目ぇ覚まさなかったんだぞ!?いいわけねぇだろ!!!」


朱雀の怒鳴り声が部屋に響き渡る。


何で…?どうして…?
分からない…どうして朱雀が起こってるのか、悲しそうなのか…


「分からない…」

「あ?」


分からない…分からない…だって…


今回はたった2日で済んだ。また半年だったら?またそれ以上だったら…?


それに比べたら…
良かった事だよ…


「あの半年に比べたら…2日なんて良かった事だよ…」


それだけ言って部屋を飛び出した。


朱雀が名前を呼んだのも無視した。


知るもんか!!
朱雀になんか…わからないよっ…


あたしの……
あたしの苦しみなんか…






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