先見の巫女


「天狗か!!雛菊に何用で参られた!!」


晴明様は怒りを隠さずに扇を構えて天を睨みつける。


「ほう…京の護り神、最強の陰陽師とはお前の事か」


天に姿を現したのは、羽を持った天狗だった。


「あれが…天狗……」


初めて見た。天狗は伝説上に存在する存在と言われていたが実在したのだ。


「翡翠龍の巫女…我と共に来てほしい」


天狗はあたしに手を差し延べる。天狗は挨拶は強引ながら強制はしていない。


“選べ”と…
あたしに訴えている。


この怪しい天狗と共に行くか…否、此処へ残るか…


「何故?」


恐怖を抑えて冷静にそう尋ねる。理由が分からなければ決められない…そういう意味も込めて。





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