先見の巫女


それでも伸ばした手は既に羽を手にしていた。


その羽が何百、何千もの羽になりあたしを包み込む。


「ぁっ!!!?…っ…晴明様ぁ!!」


あたしは晴明様に助けを求めるように手を伸ばした。

「…支配するは西の砦…」


晴明様は懐から出した金の扇を右手で前に突き出し、左手で印を結ぶ。


「大地を駆けるは疾風の如く…」


物凄い勢いの風が晴明様に纏う。


「これは…………」


四神の化身…?
晴明様も使い手だったの…?


「…纏いし風は盾となり、刃となれ…」


扇が大きくなり金色の光を放っている。


「舞い出でよ…扇凜白虎!!」


金色の光が弾け、風を纏った扇が姿を現す。


ー白虎の化身
『扇凜白虎』





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