いい意味で
アイポッドを止めて、目をつぶってみる。
しばらくすると、「お父さん、お風呂いいよぉ」といってさゆりさんが階段を登っている音が聞こえてきた。
もう一個隣の部屋のドアを開く音が聞こえる。

一日が終わるんだな。

目を閉じても中々寝れず、隣からは音楽が聞こえてきた。
HIPHOPを聞いているんだな。さゆりさんは。
そういえば、若菜さんの車にあったCDも全部姉のものと言っていたし。

そうかぁ。

壁の向こうに人の気配がして、なんか安心する。
昔、一人暮らしをしてた時もそうだった。
生活の音や、車の音がうるさい方が安心できた。

そんな事を思い出しながら、気付けば、僕は眠りに落ちていた。

第六章に続く



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