LOVE SONG
「決めたって…、何を?」

中里は、恐る恐る尋ねた。
不破は、中里から目を逸らし、窓の外を見ながら答えた。

「ずっと専務に言われてて、困ってたんだけど。今日、中里の話を聞いて、決心がついた」

不破は中里に視線を戻すと、力強く断言した。

「今度、専務の勧めで見合いする」

「っ!」

「専務の勧めだし、まぁ、会ってみて、いい感じだったら、結婚しようと思う」

「…うそ、でしょ」

中里から血の気が引いていった。
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