LOVE SONG
「俺が心配したところで、どーにもなんねーだろ」

「そりゃそうだけどさ」

「…あれでも、あいつも一応プロだし、レコーディングまでには書くさ」

「詞って…、そんな簡単に書けねーよ、渋座」

「ん?」

成田は、ギターから目を離し、高原を見た。

「詞ってさ、なんか心にねーと書けねーよ」

「ああ…」

「特に愛の詞なんて本当に誰かを愛してねーと書けねーよ。愛されてねーと、書けねーだろ」
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