LOVE SONG
力説する高原に、成田は穏やかに答えた。

「高原」

「なんだよ」

「曲もそうだろ?」

「え?」

「愛の曲も、愛してねーと書けねーだろ」

と、成田は中里に渡した曲をポロポロと弾きはじめた。

「渋座…」

普段ぶっきらぼうな成田から出た、照れのない言葉に、驚きを隠しきれない高原だった。

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