BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

そのまま壁へとぶつかったルリ…



 「ゲホッ!ハァ…ハァ……」

勢い良く体をぶつけ、頭から血を流す…

血を吐き、口の端に血が滲んだ…


体が痺れ、細やかに震えるルリは、その場から、動けずにいた…

霞む瞳で、ローランへと目をやる…


ローランは、ルリへて近づいてきていた…

ゆっくりと…

ゆっくりと…


 「この世に生まれ、名もつけられず、親からは冷たい目て見られ、お前は、この世に居場所がなかった…」

 「止め…て……」


ルリの過去を明らかにするローラン。

彼女を、闇の底へ突き落とそうとしていた…


過去など聞きたくないルリは、掠れる声で反抗するが…

ローランは続けた…


 「父は妹を可愛がり、お前は益々居場所を失い、存在しないように扱われた。そんなある日、お前は妹を外に連れ出した。妹を、殺しに…」

 「嫌……止めて…止めて……」

 「お前の妹は、DRAGONに殺された。人間共は、それをお前のせいだとは言わなかった。だが、妹は、お前が殺したんだ!

お前があの時妹を連れ出さなければ、彼女は死ななかった。今まで通り、幸せに暮らしていた。

それをお前が壊したんだ!お前が妹を殺したんだ!」


 「嫌ー!!」

ルリはその話を聞きたくないと、耳を塞ぐ…

が、彼の声は、直接耳元で囁いているかのように、聞こえてくる…

力強く耳を塞ぐが、意味がない…

その話からは、逃げられないのだ…


 「妹が死に、父はお前に、妹にそっくりのお前に、ルリと名づけた。妹の名を、お前に名づけた。

妹が死んだ事を受け入れたくなかったんだ。だから、お前を通して妹の姿を映し出していた。お前を、妹だと思い込み、生きてきた。」


そうだ…

私は、知ってた…

父が、私を見ていない事だって…

ルリを…妹を見ている事だって知ってた…

だけど、それで良かったんだ…

そこに、自分がいるから…

自分の存在が、そこにあるから…

それで良かった…

それで…




涙が零れそうだった…

溢れ出しそうだった…

でも、泣いて償える事ではない…


この罪は、消えない…

< 224 / 397 >

この作品をシェア

pagetop