一人こっくりさん
第七章 母親
「は? ……こっくりさんが怒ったら画面が変わるのか?」

 信じられない話だが、相手はこっくりさんだ。
 あり得ない事などあり得ないのかもしれない。

『うん』

 あっさり肯定。

 こっくりさんって何者だ……!?
 俺なんか二、三秒で殺されそうだ。

『……何してる?』

 チイラの声で我に返った。

 そうだ、母さんを探さなきゃ!

 俺はパソコンに向かった。
 マウスに手を置き、鳥居に合わせる。

「あれ?」

 カーソルは今朝まで鳥居に合わせてあったはず……。

 でも今は――
【ね】
 のところに合わせてあったな…何故だ?

『何考えてる? 早くしなよ全く優柔不断男が』

 ゆ……優柔不断て! 酷っ。
 こいつの性格が掴めない……。

『ほら、早くしないとこっくりさんに殺られちゃうよ』

 何っ!?

 ……逃げ場はないって事か。

 いいや、逃げるつもりなんて微塵もない。
 こうなったのも俺の所為だ。
 母さんまで巻き込んで……。

 よし。

「こっくりさん、こっくりさん。俺の母さんはどこに居ますか?」
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