一人こっくりさん
第十一章 入学
 一年前、覚えてるか?
 俺と駿が出会った時。



 高校の入学式が終わり、皆が家に帰る頃。
 俺も玄関を出て、家に帰ろうとしていた。

「ふむふむ……明後日から授業開始かぁ」

 俺はさっき新たな教室で配られたプリントを見ていた。
 明日からの予定や持ち物が書いてあるプリントだ。

 ビュオッ……。
 その時、突風が吹いた。

「うぉっ……あ゙ー!!!」
 いきなりの事で油断していた!!
 プリントが遠くに飛んでいく。

 やべぇ!!!
 あれが無きゃ明日の持ち物も分かんねぇのに!!

「待てそこの紙!!」

 おかしな台詞を発して俺は紙を拾いに行った。
 紙は、学校の中庭みたいなところまで飛んでいっていた。

 恐るべし、風。
 しかしここ、結構いい所だな。 サボりスポットにピッタリかもな。
 まぁ俺はそんなサボり魔じゃないけどな!

「……帰ろ」

 プリントをもう飛ばないようにカバンの中に入れ、歩き出した。 が……

 ずべっ。

「いってー!!」

 思いっきり転んでしまった。

 俺は何につまづいたんだ!?

 石ころか?
 紙か?
 空き缶か?
 鼠の死骸か?

 俺は振り返って転んだ原因を見た。

「ぎょわっ!?!?」

 人だった。
 人がうつ伏せに倒れていた。
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