一人こっくりさん
『こっくりさんの持つ悪い心を僕の中に全て入れる』

 カーソルは【いいえ】を指したままだが、気にせず駿は話した。

『いーい? こっくりさんがどうあがいても』

 駿は

『僕は君を消す』

 そう言って、不適に笑った。

 すると、カーソルが動いた。

【い】
 【や】
  【だ】
   【い】
    【や】
     【だ】
      【い】
       【や】
        【だ】
         【い】
          【や】
           【だ】
【嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ】

 駿の方へ白い手が無数に伸びてきた。
 駿はポケットに手を突っ込む。

『うわぁっ!!!!』



『……なーんてねっ♪』

 と無邪気に笑うと、白い手に向かって何かをふりまけた。

 塩だ。

 塩をかぶった手は溶けていく。

 シュウウゥ……。

 駿がポケットから取り出したもの、それは塩の入ったビン。

『オカルトマニアを、なめんなよ?』

 駿はビンの蓋を閉めた。
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