ショコラ~恋なんてあり得ない~

「まあ父さん聞いて。
ほら、去年辺りから練乳入りのふわふわした触感のかき氷とか流行ってるじゃない。
ああいうの、うちの店でも開発してみたらどう? ケーキやアイスだけってのもワンパターンじゃない」


「ああ、確かに一度食った事があるが、あれは洋菓子っぽい感じあるな」


親父は興味深げに頷く。
よしよし乗ってきたな。


「フラッペってことか?」


マサもまんざらでもなさそう。


「そう、小さな子供とか若い女の子とかにうけるわよ、きっと。」

「うーん」


親父は顎を右手でこすりながらしばらく考える。
そして、閃いたとでもいうように、にやりとした表情であたしを見た。

なんか嫌な予感。
親父のあの顔にはいい思い出無いわよ?


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