ショコラ~恋なんてあり得ない~


「ただいまー」


不機嫌なまま店の看板を裏返し、中に入ると、マサが困ったように薬箱をあさっていた。


「あ、お帰り、詩子。なあここに入ってた腹の薬知らないか?
今マスターが大変な事に」

「あ、ごめん。あたしが持ち歩いていたわ」


そのまま薬をマサに向かって投げると、それと水を持ってトイレに向かって行った。


「マスター、ありましたよ。薬!」


親父も腹痛なのね。
やっぱりフラッペ五杯を一時間で食べるのはちょっと無理があったんだろう。


「トイレの消臭剤も買ってこればよかった」


なんて、ポツリと呟いてみた。




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