ショコラ~恋なんてあり得ない~
「マサさん。……こんにちは」
「来てくれたんだ。フラッペな。待ってて」
「うん」
なんか、ちょっとぎこちなくない?
ちょっと心配になって、和美ちゃんに耳打ちする。
「なあに、ケンカでもした?」
「ケンカまでいかないですけどね」
彼女はそう言って笑う。
だけど何だか、いつもの元気が無い。
「今日、暇なら飲みに行かない? もう二十歳なったんでしょ」
そう言ってみたら、一瞬顔が晴れた。
「わあ、いいんですか?」
「いいのよ。たまには女同士語りましょう。あたしも実は色々と溜まってんのよ!」
「詩子さんも?」
「そうよ。世の中上手く行かないもんだわ」
二人で楽しく話していると、厨房からマサが出てくる。