愛し人〜aishibito〜
『うっそぉ』



「ほらよ」






久美子にぬいぐるみを渡す。






『悔しいっ一発で取るなんて……マシャってさ不得意なものないんじゃない!?』



「もう一回やってみなよ」



『今度は絶対に取るんだから』






やる気満々な久美子に雅也は
百円を投入してあげると
さっそくボタンを押そうとした時待ったをかけた。






「ちょっと待て」



『何?』



「さっきみたいに焦ってボタン押してもダメだから」



『!』






久美子の手の上に重なるように
雅也が後ろから手を置いた。
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