夕陽




呆然とコーヒーカップを
持ったまま聴き入っていた真山は



狐につままれたような
きょとんとした顔をしていたので
何だかおもしろくて
あたしは笑ってしまった



真山はあたしが笑っていると
はっと我にかえって


そして
小さくうなずいた



平井そこに俺はいないのか?



うん
真山は真山の未来が待ってる




あたしはあたしの道を行くから



ありがとう真山
今日真山に会わなかったらあたしは決心できなかった
真山は出会った時から
あたしにいろんなモノをくれる



だからもう



さよならだね



あたしは真山との甘い思い出とこの子とずっと
生きていくよ




平井…
せっかく会えたのに
どうして…




わかって真山?
あたし決めたの




真山は涙を流しながら
あたしの手をにぎり




俺は!!
いつも平井の幸せを願っているよ
いつもいつも



願うよ




ありがとう真山



あたしと真山は
この日手をとりあい
一緒に泣いて
そしてお互いの幸せを
願い



さよならをした




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