幕末女剣士~新選組~

其の四



その日の晩、アタシは山南さんの部屋に

来ていた。

なんとなく、胸騒ぎがしたからだ。

「山南さん、今大丈夫ですか?」

「美穂さん?どうぞ」

「失礼します」

中に入ると山南さんは読者をしていた。

「どうしました?」

唐突に話を切り出されると

何て言ったらいいか分からない…

「えっと…話って話はないんですけど…」

「どういうことですか?」

「その…」

一呼吸置いて話し出した。

「絶対に…一人で抱え込まないでください」

「えっ?」

「いなくなったり…しないでください」

山南さんの瞳が一瞬揺らいだ気がした。

でもそれは本当に一瞬で、

直ぐにいつもの温かい目をして笑った。

「大丈夫ですよ。私は大丈夫です」

諭すような言葉。

その話し方が未来を物語っている

ような気がして何故だか

泣きたくなった。

「絶対ですよ…?」

「はい。だから泣きそうな顔
しないでください」

お願いだから…

いなくなったりしないで……

だけど現実はそんなに甘くはなかった。

神様はそれを許さなかったんだ…

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