そら。―HAPPY STORY―
「うわあっ、涼しい!」
水しぶきが飛び交い、その輝きの中でイルカが楽しそうに泳いでいる。
正直、感動しなかった。
ただ、胸がざわりと動く感覚がした。
「可愛い…!ね、香―――」
返事が出来ない。
笑えない。夏美が、とても楽しそうなのに。
「かっ―――香!?」
「香!?大丈夫か!?」
待て…大丈夫だから、少し待ってくれ…
玲まで心配してんのか。大したことねえよ…
「香。横になれ」