そら。―HAPPY STORY―

「けど、俺夏美を…」



「弱音吐いてんじゃねえよ、宮下香―――!!!」




ガチャンっ!



いつの間にか、屋上にたどり着いていたらしい。




玲に突き飛ばされる形で、俺は屋上に出ていた。






そして。





「…夏、美…」





静かに佇む、




綺麗な姿勢を保ったままの夏美。







すぐ側にあるはずの背中が、



届かないくらい


遠くに感じた。









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