そら。―HAPPY STORY―

大好きな彼女のままで







「お兄ちゃん?出かけるの??」



黒い服に身を包んだ俺を、光は不思議そうに見つめる。




俺は、光の寝起きの髪をくしゃくしゃとして、ニッコリと笑ってみせた。





「うん。ちょっと出かけてくるよ」







―――夏美。




元気にしてるか?



ちゃんと、俺の大人になる姿を見ておけよ。





もしかしたら、女と喋ってたら妬くかな?






…いや。ないか。



お前の本当の望みは、夏美を忘れて、


光と俺に幸せになってもらうことだろ?







…馬鹿だな。





世界よりも、どこよりも愛していた―――いや、



愛してる女を、忘れるわけないだろ?









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