そら。―HAPPY STORY―
「きゃあっ、あの人カッコイイ!」
ん…?
高瀬宅の窓辺に寄り掛かる、髪に服まで漆黒な青年。
懐かしいな。
「…香、か」
「よ、玲。久しぶりだな」
夏美の一周忌。
やはり、玲も来ていた。
夏美の葬式では、とてもじゃないが言葉を交わすことなんて出来なかった。
お互いに悲しみを乗り越え、今再び出会ったのだ。
―――玲は、東を転校したらしい。
ほぼ同時に、俺は中学を卒業した。