そら。―HAPPY STORY―

「きゃあっ、あの人カッコイイ!」



ん…?



高瀬宅の窓辺に寄り掛かる、髪に服まで漆黒な青年。




懐かしいな。





「…香、か」



「よ、玲。久しぶりだな」




夏美の一周忌。



やはり、玲も来ていた。




夏美の葬式では、とてもじゃないが言葉を交わすことなんて出来なかった。



お互いに悲しみを乗り越え、今再び出会ったのだ。





―――玲は、東を転校したらしい。



ほぼ同時に、俺は中学を卒業した。









< 149 / 152 >

この作品をシェア

pagetop