ゼロクエスト ~第2部 異なる者
確かに最初に出会った頃に比べると、ほんの少しだけだが私もエドの唄で、身体が軽くなるような感覚はしていた。
気のせいかとも思えたのだがディーンによれば、この短期間で確実にエドの術効力は上がってきているらしい。
そのため彼の身体は急激な成長に追い付けず、休息を求めて睡魔が襲ってくるようになったというのだ。
回復術というのは精霊術の中でも、高度な技である。芸術士のような補助や間接系を中心とした、特殊な術士しか使えないものなのだ。
まだ私たちの体力を癒すまでには至らないとはいえ、毎日使えば流石にエドの術力はパワーアップしていく。
それに比例するかのように精霊術で消費する精神エネルギーも増えるのだが、消費した分とのバランス保全のため自然に体力も奪われる。
身体から大量に使用される精神エネルギーと体力。
それらを補うには、ある程度の休息が必要なのだ。
エドの身体はヒトが元来持っている生存本能から、それが「睡眠」へと繋がっているのだろうということだった。
精神エネルギーと体力は無限にあるわけではないが、身体を休めさえすればある程度の回復はできるのである。
「では俺が先に見張りへ行ってこよう」
アレックスは傍らに置いてあった長剣を掴むと、すっと立ち上がった。
「それじゃ俺は休ませてもらうよ。交代の時間になったら起こしてくれ」
「了解した」
こうしてこの日は特に何事もなく、暮れていった。
気のせいかとも思えたのだがディーンによれば、この短期間で確実にエドの術効力は上がってきているらしい。
そのため彼の身体は急激な成長に追い付けず、休息を求めて睡魔が襲ってくるようになったというのだ。
回復術というのは精霊術の中でも、高度な技である。芸術士のような補助や間接系を中心とした、特殊な術士しか使えないものなのだ。
まだ私たちの体力を癒すまでには至らないとはいえ、毎日使えば流石にエドの術力はパワーアップしていく。
それに比例するかのように精霊術で消費する精神エネルギーも増えるのだが、消費した分とのバランス保全のため自然に体力も奪われる。
身体から大量に使用される精神エネルギーと体力。
それらを補うには、ある程度の休息が必要なのだ。
エドの身体はヒトが元来持っている生存本能から、それが「睡眠」へと繋がっているのだろうということだった。
精神エネルギーと体力は無限にあるわけではないが、身体を休めさえすればある程度の回復はできるのである。
「では俺が先に見張りへ行ってこよう」
アレックスは傍らに置いてあった長剣を掴むと、すっと立ち上がった。
「それじゃ俺は休ませてもらうよ。交代の時間になったら起こしてくれ」
「了解した」
こうしてこの日は特に何事もなく、暮れていった。