ゼロクエスト ~第2部 異なる者
「そのことなら全く問題ないよ。何故ならウチの子の前では、素顔しか見せていないからね」
相変わらずの不気味な笑みを口端に浮かべながら答える。当然と言えば当然の答えかもしれない。
「でも普段からこの格好でいるほうが、落ち着くんじゃなかったっけ。だから家でもこんな姿でいるんじゃないの?」
「ははは…まさか。
家では女の子たちに囲まれる心配がないからね。この姿にならなくても落ち着くことができるよ」
(あ、「落ち着く」って、そういう意味だったのか)
『フードを被る』という行為自体のことかと思っていたが、どうやら私の勘違いだったらしい。
「それにこの姿を一度でも見せてしまったら、娘には完全に嫌われてしまうよ。そうなったらこの先、俺は生きてはいけないかもしれない。
なんといっても娘は俺の生き甲斐だからな。
やっぱり自分の子供は可愛いんだよな。妻に似ているしさ。
周りの人間は俺のほうが似ていると言うが、俺よりも妻に似ていると思う。何故なら……」
どうやらディーンの連射トークタイムが始まってしまったようだ。
彼は家族のことを話し始めると、連射する矢の如く止まらなくなる。この前など、奥さんとの馴れ初めノロケ話をエドと二人で、延々2時間も聞かされてしまったのだ。
「ん? 何この人の山は」
私はここで、ふと気が付いた。
相変わらずの不気味な笑みを口端に浮かべながら答える。当然と言えば当然の答えかもしれない。
「でも普段からこの格好でいるほうが、落ち着くんじゃなかったっけ。だから家でもこんな姿でいるんじゃないの?」
「ははは…まさか。
家では女の子たちに囲まれる心配がないからね。この姿にならなくても落ち着くことができるよ」
(あ、「落ち着く」って、そういう意味だったのか)
『フードを被る』という行為自体のことかと思っていたが、どうやら私の勘違いだったらしい。
「それにこの姿を一度でも見せてしまったら、娘には完全に嫌われてしまうよ。そうなったらこの先、俺は生きてはいけないかもしれない。
なんといっても娘は俺の生き甲斐だからな。
やっぱり自分の子供は可愛いんだよな。妻に似ているしさ。
周りの人間は俺のほうが似ていると言うが、俺よりも妻に似ていると思う。何故なら……」
どうやらディーンの連射トークタイムが始まってしまったようだ。
彼は家族のことを話し始めると、連射する矢の如く止まらなくなる。この前など、奥さんとの馴れ初めノロケ話をエドと二人で、延々2時間も聞かされてしまったのだ。
「ん? 何この人の山は」
私はここで、ふと気が付いた。