姫と王子のらぶらぶ日和。【完】
小さな音を立ててドアを開ける


....やっぱり王子はいない


私は今日も、長い長い道のりを一人で歩くのだ


ちゅんちゅん、と鳥のさえずりが聞こえてくるけれど、今の私にはただの雑音にしか聞こえなかった


空を見上げると、分厚い雲が空を覆い隠していた


やばい、と思って少し早足になる


どこからか微かに雨のにおいが漂ってきた


冷たい風が一つ吹き、ぽつぽつと小さな雨粒が地面に打たれて弾かれる


傘なんか持ってきてない


学校まであと200mくらい


やっと校門が見えてきた


少しずつ、雨が強くなっていく


大粒の雨が、制服にすぅっとしみ込んで、大きなしみをいくつも作りだす
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