ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
「膝小僧が見えなくなるくらいが丁度いいと思うぞ」


「そんなの逆に変だよ~。それにこれ以上長くならないし」


「ならまあ……仕方ないか」


「なんか怜央ちゃん、口うるさいお父さんみたい」


「なっ…!」


怒る怜央を見て、茜は嬉しそうにえへへと笑った。


そんな茜の笑顔を見て、怜央は怒りが萎んでいった。


言われてみれば、自分でもその通りだと感じてしまったせいもあるかもしれない。


(どんどん綺麗になっていくから、変な虫がつかないか心配なんだよ。まったく茜は、人の気も知らないで嬉しそうにニコニコしやがって)


「早く行かないと遅刻するぞ!」


怜央はご機嫌に笑っている茜を置いて、スタスタと歩き出した。


「あっちょっと待ってよ!遅く来たのは怜央ちゃんの方なのに~!」
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