ヴァンパイア王子～覚醒のblood～

「血の儀式は、人間をヴァンパイアにするための儀式。

人間界ではヴァンパイアが人間の血を吸ったら同じくヴァンパイアになれると思われているようですが、そんなことではなりません。

血の儀式はお互いの血を飲みあう大変危険な儀式でございます。

人間とヴァンパイアがお互いに血を吸いあい、ヴァンパイアの力の一部を人間に分け与えることにより、人間は力を得るのです。

血を与えるヴァンパイアの力が弱ければ、それだけ人間に分け与えられる力も弱まりますし、人間が本来備わっている能力が低ければ、力が十分に行き渡らずコクーンになってしまいます。

ですから血の儀式はお互いが万全の状態で挑まねばいけないのです。

身体がまだ未成熟なうちはそれだけ危険も増すのでございます」


「そう……なのか。
そういえば、日向はどこに行ったんだ？」


「日向様は気ままな方。
いつものようにふらりと出かけていきましたが、すぐに戻ってくるでしょう」