ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
「犬みたいだな」


「それを言うと怒られますよ。
本人は犬みたいな容姿を気にしておいでなので」


「犬も狼も変わらないだろう」


「狼人間のプライドがあるのでしょう」


「変な奴だな」


「そうこう話しているうちに着いたようです」


バドは大きな扉の前で立ち止まった。


ここまで来るまでに数々の部屋の扉を素通りしてきたが、それらとは一線を画して重厚な造りの扉だった。


門番を務める衛兵も、威厳があり強そうだ。


「さあ王子。参りましょう」


バドの言葉で衛兵は動き、重厚な扉を開けた。


眩(まばゆ)い光が扉の中から差し込んでくる。


レオはゴクリと唾を飲み込んだ。

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