ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
「ヴラド様ならシャオン様とご一緒に王宮の離れの館にいるはずですが」


「どこだそこは!?」


「バドが知っていると思います」


「よし、バドに道案内をさせる。
話はこれでおしまいか!?」


「ええ、まあ」


「じゃあ、俺は行く。
バドっ! バドはいるか! 出てこい!」


レオの声に扉を開けてバドが出てきた。


「今から親父の所に行く! 案内しろ!」


「はっ」


レオはマントを翻すと、ツカツカと急ぎ足で王座の間から出て行った。


その後ろ姿に、ラシードは笑みが零れてきた。


「見たか、日向。
やはりレオ様は王になるべくして生まれたお方。
わたしが一生懸命王らしい振る舞いを意識してやっているのに、自然にできている。

人の上に立ち、人を動かすカリスマ性が備わっている」


「なんだ、バレとったか」


日向は帳(とばり)の中からひょっこり顔を出した。
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