ヴァンパイア王子～覚醒のblood～

「あのまま止めなかったら、あとどのくらい料理が出てきたんだろな」


「分からへん。
もしかしたらもったいないことしてしまったのかもしれんな」


レオと日向は積み上げた皿の数を見ながら呟いた。


急激に満腹になり、あまりにも詰め込みすぎてお腹が痛くなったレオと日向は椅子に深く腰をかけながら、何とはなく休んでいた。


すると沢山の手を持つ店員が赤い液体の入ったグラスをそっと二人の前に置いた。


むっとする強烈な匂いにレオは頭が痺れた。


「これは？」


「お客さん、羽振りがいいから特別です。
最近入荷した人間の血ですよ」


「人間の血？」


レオの顔が曇った。


途端に機嫌が悪くなったレオに気付き、日向が代わりに店員に聞く。


「人間の血は禁止されてるんちゃうの？」


「ええ。
昔はわずかながら取引きがあったんですが、現王になってからはまったく仕入れることができなかったんですよ。
それが最近、裏ルートで安く手に入れることができるようになったんですよ。
しかも、以前よりも簡単に」