ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
とんでもなく気まずくなった空気に、返す言葉を失っていると、茜の後ろから気さくで明るい声が廊下に響いた。


「なんや二人、付き合ってるん?」


明るい声の持ち主の男は、新入生であるにも関わらず制服を崩して着ており、明るい赤色の髪色がとても目立っていた。


少し焼けた茶色の肌に、ニカっと笑った大きな口元から白い歯が零れた。


人間離れした美しさを持つ怜央と比べると劣るが、この男も十分魅力的なかっこ良さを持っていた。


男が発した質問の内容の重大さに、皆が固唾を飲んで怜央の返答を待っていた。



怜央は皆が興味深々で聞いている姿に、眉をひそめながら、渋々ながら答えた。
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