ヴァンパイア王子～覚醒のblood～
「もしかして今朝から皆が騒いでるニュースって、假屋崎君が眼鏡を外してきたことのこと言ってるの？」


女子達は、当然だと言わんばかりに大きく頷いた。


なんてくだらない。


茜はこっそりとため息を吐いた。


「眼鏡を外した秀平君たら、とんでもないかっこ良さなんだから！
もう雰囲気がまるで別人なの！　
クラスメイト達ですら、教室に入ってきた秀平君が誰か分からなかったんだから！」


そんな大げさな、と茜は思った。


そんな心の声が彼女たちにも伝わったらしく「嘘だと思うなら見に行きなよ！」と言われ、強引に腕を掴まれて席を立たせられた。


「私はいいよ！　昨日見たから！」


茜の言うことに耳を貸そうともしない彼女たちは、假屋崎のいる教室に茜を引っ張っていった。


教室には人だかりができていた。


キャーキャー色めきだっている女子達を見ると、茜は青ざめた。


まさかこの人だかりを掻き分けないといけないのだろうか。


「ちょっと通して通して！」


彼女たちは茜の腕を引っ張って教室に入ろうとする。
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