ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
ちらりと伺うように假屋崎を見上げると、その綺麗な横顔に目を奪われてしまう。


假屋崎が茜の視線に気が付いて、「ん?」と不思議そうな顔で茜を見下ろした。


茜は慌てて目を逸らして「何でもないっ」と言って前を向いた。


胸がドキドキとうるさいほど鳴っていた。


「お互い苗字で呼び合うのやめない? 
なんか他人行儀な気がするから」


「うん、そうだね。
えと……秀平君って呼べばいいのかな?」


少し恥ずかしそうに名前を呼ぶと、假屋崎は困ったように目尻を下げて微笑んだ。


「秀平でいいよ」


「秀…平? 
なんかいきなり呼び捨ては恥ずかしいな」


「そっか。じゃあ慣れるまでは秀平君でいいよ。
でも僕は茜って呼んでいいかな?」


「え?」


「ちょっと図々しいかな」


「そんなこと……」


「じゃあ、呼んでもいい?」


「もちろん」
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