ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
「……とにかく、なんか危ない話になってきたから茜は生徒会から手を引け」


「嫌よ! せっかく入れたのに!」


「命の方が大事だろ!」


「怜央ちゃんは辞めないんでしょ? じゃああたしも辞めない! 犯人捜しする!」


「遊びじゃないんだぞ! この事件はなんだか嫌な予感がするんだ。茜は大人しくしてろ!」


「嫌っ!」


「茜!!」


茜は怒ってぷいと顔を逸らした。


(……このままじゃ、怜央ちゃんがどんどん遠い存在になっちゃう気がするんだもん。できる限り、一緒にいたいんだもん)


茜の本音は怜央に言えるわけもなく、気まずい雰囲気の中、家に着いたので二人は別れた。



二人が抱えているのは全く別の不安だったが、それが見事に的中することになろうとは……。


そしてそれが悲しい別れを予感させるものだったとは、まだ二人は気付いていなかった。

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