ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
誰も言葉を発しようとしない。


重たい空気が彼らの足を重くした。


怜央を見る赤銀の瞳が妙に楽しそうで、怜央はその瞳が脳裏から離れなかった。


午前中は近寄ることさえできなかった音楽室が、今は誰にも見張られていなかった。


入れるはずがないと皆が頭の片隅で思っていた。


しかし生徒会の権力を甘くみていたようだ。


警察を動かすことなど造作もないらしい。


そういえば、生徒会の一人に親が警視庁幹部がいるということを聞いたことがあった。


すんなりと音楽室に辿り着いた4人は、重厚な扉の前で立ち止まった。


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