ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
――――――……


怜央が廊下に手をつきながら、ふらふらする足取りで生徒会室へと向かう廊下を歩いていると、女の啼き声と共に、官能的な匂いが鼻腔を刺激した。


女の啼き声のする方に歩いていくと、そこは生徒会室だった。


生徒会室のドアが少しだけ開いている。


そっと部屋を覗くと、王座のような椅子の上で重なる男女の姿があった。


思わずゴクリと咽が鳴る。


女は男の上に跨って、顔をのけぞらしながら、甘い声を立てていた。



よく見ると、あまりにも女の顔をしていたのですぐには気付かなかったが、男の上に跨っている女は生徒会長の藤崎だった。


人形のように眉一つ動かさない普段の表情とは雲泥の差である。

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