ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
「ん? どうかした?」


真央はハッと我に返って固まっていた顔を解し、笑顔を向けた。


「ううん、何でもないのよ!

それより学校行かなくて大丈夫?」


「あっ!そうだった。茜(あかね)が待ってるんだった。んじゃ、いってくるから!」


「はい、いってらっしゃい」


精一杯の笑顔で見送った真央だったが、怜央がいなくなった後に心配そうにポットの中に入っている赤い飲み物を見つめた。


「そろそろかもな……」


ヴラドの声が冷たく響いた。
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